W3 Total Cacheは、WordPressのページ表示速度を改善するための機能がたくさん備わっています。
そのため、WordPressのページ表示速度を改善するために、このプラグインをインストールしたけど、どう設定したら良いか悩んでしまう方は多いでしょう。
現在の検索エンジンが検索順位を決める要素として、ページの表示速度は重要なものとなっています。WordPressサイトを運営するものとしては、0.1秒でもページの表示を速くしたいものです。
この記事では、WordPressのページ表示速度を速めるために、W3 Total Cacheをどのように設定したら良いか紹介します。
W3 Total Cacheを使う時の注意点
W3 Total Cacheを使用するには、事前に知っておくべきことがあります。
不具合やエラーが発生する可能性がある
W3 Total Cacheでは、WordPressの設定が記載された重要なファイル(wp-config.php
、.htaccess
ファイル)の書き換えを行います。
そのため、プラグインの有効化前後でエラーや表示の不具合が起きる可能性があります。
プラグインの有効化前後で、必ずバックアップを取っておきましょう。
ページの更新内容が反映されない場合がある
これは、表示されたページの内容をキャッシュするプラグイン全般に言えることです。キャッシュで保存されたページを表示するので、ページを更新しても更新前の内容が表示されることがあります。
主に次の内容が影響します。
- 記事内容の更新
- コメントの追加
- CSSの変更
これらの変更内容の反映は、管理画面で手動でキャッシュを削除するか設定を変更することで対応可能です。
相性の悪いテーマやプラグインがある
W3 Total Cacheに限らず、プラグインにはテーマや他のプラグインとの相性の良し悪しがあります。特にキャッシュ系のプラグインの場合は、相性の影響が大きく出ます。
テーマAでは期待どおりに動作するけど、テーマBに変更すると表示がおかしくなるといったことがあります。
また、同じキャッシュを生成するプラグインを同時に2つ以上使うことも不具合の原因になります。仮に2つ以上入れて動作したとしても、キャッシュの仕組み上、ページ表示速度が大きく変わることありません。
W3 Total Cacheを利用して受けるメリットも大きいですが、不具合が起きた時には対処が必要になりますので覚えておきましょう。
W3 Total Cacheをインストールする
注意点でも述べましたが、もし他のキャッシュプラグイン(例えば、WP Super Cache)を使用しているならば、あらかじめ削除しておきましょう。
もし他のキャッシュプラグインの削除を忘れると、このプラグインを有効化した時にWordPressに問題が発生する可能性があります。
それでは、W3 Total Cacheをインストールしましょう。WordPress管理画面へログインし、プラグイン検索で「W3 Total Cache」と検索します。詳しいプラグインのインストール方法は、WordPressでプラグインをインストールする方法を見てください。
インストールできたら、引き続き有効化を行います。
有効化できたら、ナビゲーションメニューの設定メニューの下に「Performance」というメニューが追加されます。これをクリックすると、W3 Total Cacheの設定画面へ行くことができます。
設定を行うために「Performance」をクリックして、設定画面へ移動してください。
W3 Total Cacheは設定項目が非常に多いです。表示されるサブメニューの数を見るときっと驚いてしまうでしょう。
これから必要な設定を1つ1つ紹介していくので、その通りに行っていけば大丈夫です。
それでは、設定画面を見ていきましょう。
W3 Total Cacheの設定を行う
W3 Total Cacheの設定画面へ行くと、画面上部にメッセージが表示されていますので、「Hide this message」ボタンを押してメッセージを隠します。
これから各項目の設定を説明していきます。基本的に説明がないところは、設定を変更する必要がありません。しかし、重要なところな項目は、変更がなくても説明を行います。
Dashboard
Dashboardを表示すると画面上部に、実行できる項目のボタンが配置されています。
特に重要な項目は、キャッシュの削除です。Dashboadrdでは、キャッシュの保存方法別に削除が可能です。
すべてのキャッシュを削除したい場合、「empty all caches」ボタンを押してください。
もし、キャッシュを個別に削除したい場合は、各キャッシュの詳細設定ページで行えます。
General Settings
W3 Total Cacheの設定メニューで1番大事なものが、このGeneral Settingsです。W3 Total Cacheで行える設定の有効化・無効化がすべてこのメニューから行えます。
General Settings画面の上部には、設定項目のリストが表示されています。クリックするとその設定項目まで飛びますので、活用するといいでしょう。
General
General設定では、プレビューモードのON/OFFが可能です。
プレビューモードとは、実際にWordPressサイトにW3 Total Cacheの設定を適用して問題が発生しないか確認するためのものです。
プレビューモードを有効にして、設定を変更しても実際のWordPressサイトに設定はまだ適用されていません。
「Enable」ボタンをクリックして、プレビューモードをONにしてみます。すると画面上部に次のようなメッセージが表示されます。
General設定の項目も表示が次のように変わっています。
表示されているボタンをクリックした際の動作は次のようになります。
- Disable – プレビューモードをOFFにして、プレビューモード有効時に変更された設定を元に戻します。
- Deploy – プレビューモード有効時に変更された設定を、実際のWordPressサイトに適用します。
- Preview – プレビューモード有効時に変更された設定を元に、WordPressサイトをブラウザで表示します。実際に表示されているサイトには影響しません。
注意点でも述べましたが、キャッシュ系のプラグインにはテーマや他のプラグインとの相性があります。プレビューモードを活用して、設定変更時に不具合が起きてしまう可能性を少しでも減らしましょう。
Page Cache
次にPage Cacheの設定です。これはページの表示速度を向上する上で、W3 Total Cacheのキャッシュ機能の中でも特に重要なものです。
WordPressサイトのページ速度を改善したい方は、必ず「Enable」にチェックを入れましょう。
W3 Total Cacheは、様々なキャッシュの保存方法を提供しています。もし共用サーバーを使用しているのであれば、Page Cache Methodは、「Disk:Enhanced」を選択しましょう。
Minify
Minifyの設定は、有効にするとCSSやJavascriptのファイルを縮小・圧縮し、ファイルの転送速度を上げる効果があります。
しかし、これはWordPressサイトの表示不具合の原因にもなります。そのため、必ずしも有効に働くとは限らないので、Minifyの設定は無効のままにしておくことをおすすめします。
Database Cache
Database Cacheは、サーバーがデータベースへ問い合わせる負担を減らすことができます。
しかし、環境によってはキャッシュを行う前より、動作が重くなることがあります。そのため、この設定は無効にしておくことをおすすめします。
サーバーにデータベースキャッシュを記憶させる処理は、サーバー上のメモリを多く使用します。
もし、WordPressサイトの表示スピードが遅い原因がサーバーのメモリ不足が原因であるならば、データベースキャッシュを行うことでさらにメモリ不足におちいってしまいます。
そうすると余計にサイトの表示スピードが遅くなってしまうでしょう。特に共用サーバーを使用されているので、あれば無効にしておく方がいいでしょう。
Object Cache
Object Cacheは、書いてある通りにデータベースへの問い合わせが多い、動的サイトで高いパフォーマンスを得られます。例えば、BuddyPressサイトや、bbPressサイトです。
そのため、一般的なブログを運営しているのであれば、Object Cacheは無効のままにしておくことをおすすめします。
Browser Cache
Browser Cacheは、読者があなたのWordPressサイトに訪れた時に、読者のWebブラウザーにキャッシュを保存するものです。
2回目以降の訪問時は、より速くあなたのWordPressサイトを表示することができます。こちらの設定は有効にしておきましょう。
Page Cacheの詳細設定
Page Cacheの詳細設定を行います。詳細設定は、General Settingsではなく、Performanceメニューの中にあるサブメニューから選択できます。General SettingsでPage Cacheの設定を忘れずに有効化しておきましょう。
画面上部には、選択できる項目へのショットカットリンクが設置されています。また、Page Cacheの個別クリアがこのページから行えます。
Page Cacheの詳細設定で行う必要がある項目は3つです。
General
Page CacheのGeneral設定は、次の画像のように設定することをおすすめします。
Don’t cache pages for following user rolesの項目は、チェックを入れた権限を持つログインユーザーに対してページキャッシュを行わなくするものです。
もし、CSSやコンテンツの編集などを頻繁に行うようであれば、使用するユーザーにチェックをつけておきましょう。
Cache Period
Cache Periodでは、以前にアクセスされたページのキャッシュをどれだけの期間保存するか設定を行えます。
Page CacheのCache Period設定は、次の画像のように設定することをおすすめします。
Advanced
Advanced設定では、Compatibility modeのみにチェックを入れましょう。
残りの設定は、そのままにしておきます。
Browser Cacheの詳細設定
Browser Cacheの詳細設定を行います。詳細設定は、General Settingsではなく、Performanceメニューの中にあるサブメニューから選択できます。
Browser Cacheの詳細設定で変更が必要となるのは、General設定の項目のみです。
General
Browser CacheのGeneral設定は、次の画像のように設定することをおすすめします。
以上で、W3 Total Cacheの設定は完了となります。